「1」を応用するには

「1」は、Aでもなく、Bでもなく、AにもBにもなれる実在。この、「1」からAやBを存在させる仕組みは、別名認識という。まとめると、この「1」は、存在が存在する、認識の仕組み、ということだ。

例えば、目が最初から見えなかったなら、僕らは視覚的な模様や形の存在について全く議論できなくなる。触覚的な模様や形の存在について語れたとして、視覚的な模様や形の存在とは関係がない。

ここでは、「1」が何とでも応用可能であることを説明する*1

Q1. 「1」を知っても、物理法則を自由にできません。

A1. まず、物理法則も認識だ。それが、自分の考えの範疇にあろうがなかろうが、認識しなければ存在しない。物理法則を自由にできないと思うのは単に、「物理法則を自由にする」と思えるための認識をまだしていないから。「1」はAにもBにもなれるので、その認識は当然可能だし、考えになくとも全ての物理法則を認識して生み出しているのは事実として自分だ。この粒度の「1」から言えるのは、間違いなく可能だ、ということだけ。

Q2. 「1」を知っても、時間を自由にできません。過去にタイムトラベルも可能なのでは?

A2. 物理法則と同様。ちなみに、時間は逆方向に進まないのには理由がある。

「1」により、AでもBでもないけど、AにもBにもなれる。なら、時間も空間もないけど、時間にも空間にもなれる。人類の感覚上、宇宙の始まりからの138億年分の変化が、時間も空間もないところから、今ここをめがけて生まれてくる。全ての瞬間瞬間はないところから常に生まれ消滅し、止まらない。AにもBにもなれるなら、AでないしBでもないことも同時に可能でなくちゃいけないから。

こうして、138億年分の変化が生まれては消滅し、また生まれている。これは時間のかからない変化だから*2、人間に知覚不可能なだけで、ある意味では時間は何度でも巻き戻っている。人間は、過去からの連続として今をとらえるクセがあって、巻き戻りを経験はしない。過去にタイムトラベルをしたければ、巻き戻りが知覚可能な、認識の条件を探す必要がある。過去は実在しないけれど。

Q3. なぜ、その138億年のうちの今ここを認識し、過去でも未来でもないのか。

A3. その質問は時間ありきの質問。時間は実在しない。138億年も実在しない。説明のため便宜上そう表現したに過ぎない。

*1:実応用上は、シンプル過ぎて使えない。AにもBにもなる仕組みでもって、既存の知識を説明する必要がある。仕組みの粒度は、既存の知識の説明、知識の創出に十分なら特に問わない。

*2:時間がかかるなら、その時間はどうなっているのだろうか?少なくとも人間に観測可能な時間ではあり得ないし、時間は実在ではない。