「パンセ」より

本当のところ、自然界における人間とは何なのか?無限に対比される無、無に対比される全て、無と全ての中間。人間はどちらの極端についても熟慮する機会から遠く隔てられ、物事の終わりとその始まりは不可解な秘密の中にあって、絶望的なまでに隠されてしまっている。人間は自身がそこから生まれ出た無も、自身がそこへ飲み込まれる無限も、いずれをも見ることがかなわない。

ブレーズ・パスカル「パンセ」より