言葉は自分の影だった。
自分の中に映し出された世界との出会いを歓び、射影し、取り出したかった。
道端で美しく丸まったダンゴムシより輝くそれは、取り出そうとすると歪んで、削れて、つぶれて、どうしようもなく共有できなかった。
だけど、そうじゃなかった。
温めていた輝きだけが、映し出された世界だけが、ほんとうに全てだった。
分かち合うことのない、全てだった。
全てだったから、外のない、一つだった。
一つだったから、外のない、孤独だった。
だから全てを使って、小さなプラネタリウムになって、
うずくまるように空を見上げたんだ。