1人

読み飽きた漫画を読み返すような1日が終わり、

過去も現在も未来も何も変わっていない。

思春期の真っ只中で書きなぐったノートの、

吐き出した血を刻む勢いでのたうち回った言葉は、

今や無意識のうちに再生するだけのありふれたゴミになり、

頭の中をただぐるぐると回り続けている。

誰と出会うこともなく、人と繋がりを感じることもない。

しかし、

自分と自分の宇宙とが消えたとき、

あらゆる存在の、存在を決定づける主体こそが自分であって、

自分とおまえとが、溶け合ってしまった。

この言いようなく暖かい一体感の中で、

1人の意味が変わった。